2009年5月10日日曜日

JCPを主導する企業(Sun)は慈善団体でも慈善事業をしているのでもない

TCKがタダでないこと を理由にJCPを非難するOSS信奉者は
Sunが営利事業をしていることを失念しているとしか 思えな
い。

OSS開発団体がJAVAのTCKを引き取って(無償で)
エンタープライズで要求されるレベルの品質を 保ちながら
メンテナンスできる状態にありJAVAのTCKのメンテナンス
を引き受けようとしているのなら、JAVAのTCKをOSS開発
団体に委ねないJCPを非難する理由になる。

しかし、現状ではエンジニアを雇ってJAVAの TCKの品質を
維持するのはSunの責任であり、 自分たちはその責任を
肩代わりはしたくない、責任は肩代わりしたくないがTCKは
無償(タダ)で使わせてくれて 当たり前だとJCPを非難する
OSS信奉者が主張しているようにしかみえない。

SunはJAVAのTCKや純正VMの品質を維持するために必要な
コスト(の一部)をTCKのライセンス料でまかなっている。
JAVAのTCKを無償にした場合、Sunは無償にすることで
発生する損失をどのようにして補填すればいいのだろうか?

Sunは純正VMの開発やTCKのメンテナンスにおいて泥臭い
部分のほぼ全てを一手に引き受けている。

泥臭い部分というのはバグ取り等の心の中で誰もやりたく
ないと思っている作業を主に指します。

JCPを非難するOSS信奉者はSunにオンブにダッコして
もらっている状態で自分たちに都合の良い状態にしてくれ
と主張しているようにしかみえません。

Apache HarmonyがSunの純正VMと同じレベルの品質を達成
してその品質を維持し続けることができる(Sunの純正VMが
なくなってもApache Harmonyで代替できるので問題ない)
とOSS信奉者は言い切れるのだろうか?

Sunの純正VMはSunという企業が検証や品質のチェックを
行ってから公開しています。特定の企業による品質補償?
があることでユーザは独自の検証や品質のチェックを簡略化
して行い利用することができています。また、特定の企業に
よる品質補償?があることがJAVAを採用する上での安心感
になっているというのもあると思います。

ちなみにOpenJDKの大部分はSunのエンジニアによって
開発・メンテナンスされている状態です、OSSコミュニティ
がOpenJDKの開発を主導しているわけではありません。

Apache HarmonyはApache Foundationが公開します、
Apache FoundationはOSS開発に特化した非営利団体です。
検証や品質のチェックは公開前にApache Foundation内で
行われますが、品質の補償はありません。
Apache Harmonyの場合、安心感を欲するなら、有償で
品質補償を提供する企業から、品質補償という安心を買う
事になります。

特定のOSS開発団体を特別扱いしてTCKを無償でライセンス
することもできません。

特定のOSS開発団体を特別扱いしてTCKを無償でライセンス
すれば、TCKを有償でライセンスしている企業が独自のVM
開発を破棄し特定のOSS開発団体の開発するプロダクトに
合流しようとするのが目に見えているからです。

特定のOSS開発団体を特別扱いしてTCKを無償でライセンス
することは営利企業がそのOSS開発団体を介してTCKを無償
利用することに直結します。

そうなれば、TCKのライセンス事業は破綻し、SunはJAVA
に費やしているコスト(の一部)を補填する事ができなく
なります。

SunがOracleに買収されたからといって、OracleがJAVAの
TCKの品質を維持しながらメンテナンスすることになるの
なら、JAVAのTCKが無償でライセンスされることはまず
ありえません。

OracleもSunと同じく慈善事業をしているわけではない
のがその理由です。

TCKを今後どのような体制で開発・メンテナンスしていく
のか、OpenJDKを 含めJavaVMのリファレンス実装を
今後どのような体制で開発・メンテナンス していくのかは、
JCP内外でコミュニティが議論していくべき課題だと
思います。

推敲中?

#以前、同じような内容の文章を別の場所に書いたことがあるが
#また書いている。

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